代償動作に気をつけよう
- 健康・予防
- 2022/03/25
- 2022/03/25
代償動作って聞いたことがありますか?
何らかの原因によって、動作に対して本来使うべき筋肉などが使われていない状態のことを指す言葉です。
今回は、代償動作についてです。
なぜ代償動作が問題なのか
そもそも代償動作が起こるのは、筋肉の発達や関節の可動域、柔軟性などが原因になり本来とは別の筋肉で動作を行ってしまうことです。
例えば、手を上げるとき本来は腕だけではなく背中にある肩甲骨の動きが伴わないと耳の横まで腕が上がらない状態になります。
しかし、肩甲骨の周りの筋肉が固くなっていたりして肩甲骨自体の動きが悪いと肩関節で無理に上げようとするので肘が伸び切らずに肩にも負担がかかります。
このように、本来の筋肉とは違う筋肉が動くことによって以下のような問題が発生しますよ。
- 動作に対して使うべき筋肉が発達せず、代償した筋肉が発達して関節などのバランスが崩れ怪我や痛みの原因になる
- 代償動作では本来の身体の動きとは異なるため、十分に力が発揮できずパフォーマンスやスピードが落ちる
- 関節によっては身体全体のバランスを崩し姿勢が悪くなったり、左右差ができる
代償動作を改善する
スポーツやトレーニングだけでなく、日常の動作の中でも代償動作が起こっていることがあります。
スポーツやトレーニングでは、短時間に急激に起こることもあるのでゴルフで腰が痛いとか、ベンチプレスで肩に違和感を感じるなどスポーツやトレーニングをしている間だけとか数日で改善することもあります。
しかし、日常の動作の場合は継続的に起こるため長時間積み重なることによって、関節の変形などにつながることもあるので注意が必要です。
代償動作が起こっている場合は、まず起こっている原因を見つける必要があります。
単純に筋力がない場合もありますし、関節が固くなっていたり、他の筋肉が固くなって関節の動きを制限しているなど、原因は人によって様々です。
関節が固くなっていたり別の筋肉が関節を制限している場合は、それらの関節に関係している筋肉を緩めたり、関節自体の動きを改善していきます。
注意が必要なのは、筋力がなかったり低下している場合です。
そもそも筋力がないから代償しているのに、その筋肉を鍛えようとしても、代償する筋肉に刺激が入ってしまうということになりやすくなります。
そうなってしまうと鍛えた結果、余計に代償動作が酷くなるということにもなりかねません。
代償動作が起きないように気をつけながら、目的の筋肉をしっかり把握した上で鍛えるようにしてくださいね。
現場によって意味合いが変わる
スポーツやトレーニングの現場でいう代償動作は修正が必要ですが、リハビリテーションの現場では、むしろ積極的に採用される場合もあります。
怪我や病気などで、ある部位の機能が低下したり失われてしまった場合にその機能を補うために代償動作を取り入れる場合があります。
たとえ、それがある程度身体に負荷がかかる場合でも、生活する上で必要であればお医者さんや理学療法士さんの指導の元で行われることがあります。
なので、代償動作という言葉が必ずしもマイナスな言葉ではないことは知っておいてくださいね。
他の筋肉などを使って生活レベルを改善するというポジティブな言葉でもあるんですよ。
まとめ
代償動作が起こっているかどうかは、自分ではわかりにくいものです。
できれば、専門の人に相談するようにしてみてくださいね。