膝は無理に伸ばすのではなく伸びるもの

太ももの前の筋肉が強く収縮して、膝のお皿が引き上がり太ももが前に倒れたようになる反張膝。

太ももの前の筋肉が常に緊張しているので、太ももが太くなりやすくまた内巻き傾向も強くなるので骨盤から足が太く見えるいわゆる下半身太りの原因になってしまうことも。

なぜ、そんなに強く膝を引いてしまうのでしょうか。

今回は、膝を無理に伸ばしてしまう原因のお話です。

きれいに伸びない膝

膝を強く引いてしまう人は、そもそも膝の伸びているという感覚がわかりにくい傾向にあります。

膝関節は、太ももの骨である大腿骨と脛の骨である脛骨で構成されています。

では、膝の曲げ伸ばしをイメージしてみてください。

曲げ伸ばしの時、骨は一方向にだけ動いているように思えますが、実は膝は曲げた状態から伸びる状態に移行する際に、スクリューホームムーブメントと呼ばれる回旋運動が起こります。

小さな角度なのですが脛骨が設置していれば大腿骨が、大腿骨を中心に動かすのであれば脛骨が少し動きます。

スクリューホームムーブメントは骨の形状や靭帯の関係で起こっていますが、この小さな回旋運動がないと膝はしっかり伸びた状態になりにくくなります。

そして、スクリューホームムーブメントは骨と筋肉の関係がしっかりしている状態でないと起こりません。

筋肉や骨が不安定な状態では、膝の裏側が伸びるように膝関節が動かないため膝裏の伸びる感じが分かりづらく動きが悪かったり筋肉だけでは伸びにくくなるので、体重移動など筋肉とは違う方法で関節を無理に伸ばそうとしていしまうわけです。

動きが安定しない原因

膝の曲げ伸ばしの運動というとスクワットを思い出しますよね。

スクワットは、太ももの前の筋肉である大腿四頭筋の運動と言われています。

確かに、膝を伸ばす運動は大腿四頭筋が主働筋なのですが、大腿四頭筋だけだと膝が不安定になってしまいます。

膝がスムーズに動くためには、大腿四頭筋だけでなく太ももの後ろの筋肉であるハムストリングも共同して動く必要があります。

ハムストリングは、膝を曲げると同時に股関節を伸ばす筋肉なのですが、スクワットの時には、膝と股関節を支えるように働きます。

ハムストリングがしっかり脛骨を支えてくれれば大腿骨がスムーズに動きますが、ハムストリングが弱いと脛骨を支えられずに膝を前に滑らせたり、膝を内側に閉じるなどの代償動作が起きます。

そうすると、大腿骨が膝を軸にした回転運動ではなく蝶番運動を起こしやすくなります。

このまま大腿四頭筋だけで動こうとすると内股の状態のままで伸びて膝が強く捻れたままになり、膝を押し込むように伸ばすような動きになってしまうわけです。

ハムストリングが使えていない人はかなり多く、膝関節が不安定なままでトレーニングをして余計に膝に負担がかかったり、体型が悪くなっているなんて人もいます。

土台である脚の膝が反張膝になるだけで、その上の骨盤から上が不安定になり全身が重くモッタリしたような見た目になりやすいだけでなく、地面からの押す力を使えないので常に全身で頑張って疲れやすくなってしまいますよ。

まとめ

ハムストリングを使えるようになるだけで脚が軽くなったり、スタイルまで変わってしまう人もいます。

あまり効果がないという方は、身体を適切に動かせているか気にしてみると良いですよ。