【素朴な疑問】体組成計は信用できるの?
- 素朴な疑問
- 2021/12/14
- 2024/05/22
体脂肪率の測定機器
体脂肪率は身体全体の重さの体脂肪の量の割合ですが、正確に測るためには綺麗に切り分けてそれぞれの重さを量ることになりそうです。
つまり解剖することになる上、サシの入っている牛肉を見てもらえばわかると思いますが、完全に切り分けることすら困難ですね…。
運動しないと人間の筋肉も霜降り状態になるんですよ!
そこで、色々な体脂肪を測定するための方法が考えられてきました。
比較的正確に測れる方法
昔からある方法では、水中体重法が用いられてきました。
これは、身体がすっぽり入る水槽の中に入って、押しのけられた水の量と陸上と水中の体重から体脂肪を測定するのですが、そもそも身体がすっぽり入る水槽自体を準備する必要があるので、計測できる場所も限られますしお金もかかります。
最近では、水の代わりに空気を使って測定するボドポッド(BodPod)という測定方法があります。
何やらSF映画に出てきそうな測定器の中に入って測る方法ですが、昔、日本相撲協会さんのTwitterで取り上げられたことがあるので、チラッと見たことがある方もいるかも知れませんね。
他にX線を使って測る方法もありますが、いずれも高価で気軽に測れるというものではない上に、前提条件などに課題があるため、必ずしも正確な数値とは言えない状況です。
簡易的な方法
簡易的な方法としては、キャリパーという測定器を使って皮下脂肪を測るキャリパー法です。
キャリパー法は、測定するのにコツが必要で人によって測定値が変化しやすいことや、内臓脂肪については測ることができません。
皮下脂肪の増減などの推移を見るには良いかもしれないですが、正確な体脂肪率となると難しいですね。
そして、今回の主役、家庭用の体組成計で使用されているのが、生体インピーダンス法です。
脂肪細胞が他の細胞よりも電気抵抗が大きいことを利用して身体に電流を通して体脂肪を測っています。
ジムなどにある体組成計も生体インピーダンス法を使っていますが、体内の水分量が変化するだけでも数値が変わってしまううえに、足裏だけとか手のひらだけだと身体の特定の部位のバランスによって変化してしまいます。
なので、やはりこちらも正確とはいえないですね。
正確な情報というよりも変化を確認する
いずれの方法でも、正確に体脂肪率を測ることは不可能でした。
では、体組成計は意味がないかと言うといくつかの点を押さえていけば、目標設定としては充分使えると思います。
できるだけ正確な数値を取る
体組成計は、先にも書いたように電流を流してその抵抗値で測定します。
そのため、体内の水分量の変化がかなり重要になってきます。
例えば、食事の後など水分量が変わりやすい状態の時には数値が不安定になりやすくなります。
スポーツの後や入浴後は、末端の血流量が増えている傾向があるためこれも安定しない原因になります。
できるだけそのような状態を避けて測定することが大切ですよ。
また、夜になると足が浮腫むように重力に引かれて水分が体内で偏ると誤差がでやすいため、測定時間が朝だったり夜だったりとバラバラだと乱高下する原因になってしまいます。
体重もそうですが、なるべく毎日同じ時間帯に測ることで数値のバラツキを抑えることができます。
他にも、重さの割合ですから着ている服の量にも注意が必要ですよ。
まとめると
- 毎日同じ時間に測定する
- 食後など水分量が変化しやすい時間を避ける
- 同じ服装、もしくは全裸で測定する
などを意識すれば良いので、朝起きてすぐなどが数値のバラツキを抑えられそうですね。
正確な数値よりも推移を気にしてみよう
同じ体組成計で、同じような状態で計測した数値はその体組成計でのある程度の指標になります。
体組成計が正確に測れないとしても、肥満状態なのに痩せていると出たり、痩せている人に肥満と出るほど信用できないわけではありません。
なので、ある程度の目的設定の数値としては使えます。
数値がどれぐらい上下したかは、ダイエットなどの一つの目安にはなると言うわけですね。
せっかく測ることができるわけですから、信用できないから計測しないではなく、
この体組成計ではどれぐら変化したのかを確認する
ことに使えば、全く問題はないですよ。
まとめ
今回は、体組成計についてでした。
現状で正確な数値は計測できませんが、おおよその数値をベースに毎日や数週間などの期間での状態を把握するために、ぜひ継続して計測してみてくださいね。
科学が進んでいけば、そのうち正確に計測できる機器が開発されるかもしれませんね。