身体が柔らかすぎる人は要注意!健康リスクを理解しよう

身体が柔らかすぎる人は要注意!健康リスクを理解しよう

怪我の予防などに、身体の柔軟性は重要だと言われます。しかし、柔らかすぎる身体は逆に問題を引き起こすこともあります。

柔軟性と関節の安定性のバランスを保つことは、怪我の予防やパフォーマンスの向上に直結します。

今回は、身体が柔らかすぎることで起こりうるリスクと、その対策について見ていきましょう。

柔らかすぎる身体と関節の緩さ:何が問題?

身体が柔らかすぎるという人は、関節の動く範囲(以下、可動域)が一般的な既定値よりも大きい状態です。

通常、関節の可動域は各関節でおおよそ決まっていて靭帯や筋肉などによって可動域以上に動かないようになっています。

しかし、生まれつき遺伝的に靭帯が緩かったり、クラッシクバレエや新体操などの柔軟性が必要になる運動などをしていた人の中には可動域以上に関節が動いてしまう人がいます。

また、捻挫や脱臼などの外傷によって靭帯などの関節を制御する組織が損傷してしまい関節が不安定になってしまった場合なども可動域以上に動いてしまう場合があります。

このように可動域以上に関節が動いてしまう場合、””柔らかい”というよりも関節が”緩い”と言われます。

関節が緩いとどうなる?

では、なぜ関節が緩いと問題があるのでしょうか。

繰り返す怪我に要注意

捻挫をした人が同じ脚を何度も捻挫してしまうというお話を聞いたことはないでしょうか。

一度捻挫してしまうと靭帯が伸びてしまい足首の可動域の制限がかかりにくくなります。

靭帯は筋肉のように伸び縮みする組織ではないため、一度伸びてしますと元の状態に戻らないためその部分の可動域の制限がかからなくなります。

そのため靭帯によって支えられていた骨の動きが可動域を超えて動くことになってしまいます。

今までは横方向の動きが靭帯によって支えられていたのに、支えがなくなったために強い力がかかると骨が大きく動いて似たような場所を痛めしまうことになるわけです。

無理に柔軟性を高めた身体でも同じように制限がかかりにくい状態になります。運動やトレーニングをしている間は筋力があるので筋肉のブレーキがかかりますが、筋力が低下すると関節を支えられなくなって怪我を起こしやすくなります。

他にも、関節が動きすぎることで筋肉が長さ以上に引っ張られたり骨がズレたりと関節の可動域が正常であればかからないような負荷が身体にかかるために怪我をすることになってしまいます。

柔軟すぎる身体がもたらす動きの制限

身体が柔らかすぎると起こるもう一つの問題は、身体を動かさなくなるということです。

例えば、床に物が落ちた時どうしますか?

普通はしゃがんで床のものを拾いますよね。

ところが、股関節の柔軟性が高い人は前屈した状態で落ちたものが拾えてしまいます。

肩の関節が緩ければ、肩甲骨の動きを伴わなくてもある程度の動きができてしまうので、肩甲骨を動かさくなります。

このように広すぎる可動域は、その他の身体の動きを伴わなくても動かすことができてしまうわけです。

そうするとその他の身体の動きを使わなくなるため、使わない部分の筋肉が弱くなったりする原因になってしまいます。

また、ストレッチをしているときなどに目的の関節以外の緩い関節が動いていることが多く、目的の部分の筋肉がストレッチできていないなどの問題も起きてしまいます。

このように、緩い部分ばかりが多用されて本来使うべき筋肉が動かなくなるという問題が出てきてしまうわけです。

筋肉を鍛えて関節を安定させる

関節が緩いと感じた場合、周囲の筋肉を強化することで、その緩さを補うことができます。

特に、股関節や肩関節など、可動域が広い部分は安定性を持たせるために筋肉を鍛えることが重要です。

筋肉がしっかりとサポートしてくれることで、怪我の予防や身体のパフォーマンス向上につながります。

柔軟性が高すぎる人ほど筋トレをして身体をコントロールできるようにすることをオススメします。

日常生活に取り入れるべき習慣

柔軟性が高すぎる方は身体を正しい方法で動かす習慣をつけることが大切です。

ストレッチを行う際には身体の状態ではなく、どの筋肉をターゲットにしているのかを意識して筋肉の伸びをしっかり感じるようにしてください。

例えば、前屈運動をするときにはつま先が触れているかどうかではなく、太ももの後ろが伸びているかとか、股関節が動いているかなど筋肉や骨格の動きに注目してみてください。

また、道具を使って安定性をサポートするのも効果的です。

不安なときは、ぜひ専門家のアドバイスを受けてみてください。

まとめ

柔軟性と関節の安定性は、相互に関係しています。

柔軟であることは良いことですが、緩すぎると怪我や身体の不調を引き起こす可能性があります。

筋力トレーニングや正しい動作を習慣化して、しなやかで安定した身体を手に入れましょう。