インナーマッスルがうまく使えない
- トレーニング
- 2022/05/24
- 2022/05/24
インナーマッスルを動かそうとしているのにどうしても思うように動かないとか、他の筋肉が動いている気がする。
そんな経験ないですか。
怪我の予防にも役立つインナーマッスルですがうまく使えないという人も多い筋肉です。
今回は、インナーマッスルがうまく使えない原因についてのお話です。
筋肉の強さ
骨格を安定させるインナーマッスルは、骨格を動かくアウターマッスルに比べると小さかったり弱かったりします。
代表的なものは肩のインナーマッスル。
肩甲骨と腕の骨をつなぐ棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋のことで、ローテーターカフとも呼ばれています。
これらの筋肉は、腕の骨の回旋などの動きに関係していますが、腕の骨を安定させるためにも使われます。
肩関節は様々な方向に自由に動くため他の関節のように動きを制限する靭帯が最大域まであるためブレーキが掛かりづらく、また股関節のようにと腕の骨が肩甲骨にガッチリとはまっている状態でもありません。
なので、かなり不安定な構造になっています。
そのため、ローテーターカフによって腕の骨がズレたりしないようにコントロールしています。
しかし、肩関節を動かす筋肉であるアウターマッスルには大胸筋や広背筋などがあり、ローテーターカフよりも大きなサイズの筋肉です。
筋肉の出力は筋肉のサイズに比例しますから、ローテーターカフと大胸筋や広背筋が喧嘩すればローテーターカフが負けてしまうわけです。
動きの順番
では、なぜサイズの違う筋肉同士でもインナーマッスルが関節を安定させることができるのかというとインナーマッスルが動きの方向性を決めるのに対して、アウターマッスルは動きそのものに関係してるということです。
ドアの蝶番を思い出してみてください。
押して開くドアの場合、ドアを押せば蝶番によって方向性が決められてドアは回転しますよね。
アウターマッスルはドアに対する力であり、ローテーターカフは蝶番的な役割になります。
ローテーターカフが肩関節の動きの方向を安定させれば、アウターマッスルは肩関節を軸にしてその方向に関節を動かします。
しかし、ローテーターカフが肩関節の動きを安定させていない状態であれば、アウターマッスルは腕の骨自体を関節からズラすように動かしてしまう可能性があります。
ドアの蝶番が壊れてしまった状態でドアを押せばドアごとハズてれ倒れてしまいすよね。
それと同じような状態になるわけです。
なのでローテーターカフが安定をさせてから、アウターマッスルが動かすという順番が必要になりますよ。
ローテーターカフが安定させられていない状態でアウターマッスルばかりが動きをすると関節が安定せずにズレたり他の関節や筋肉が代償したりして怪我や痛みに原因になっていくことになります。
もちろん動かしている時にローテーターカフを動かしてからアウターマッスルを動かしてなど考えていませんが、違和感などがある場合は、インナーマッスルに動きがあるかどうかを意識してから動かすようにしてあげると関節が安定しますよ。
邪魔をする動き
もう一つインナーマッスルが使えない場合として、インナーマッスルが動けないような動きが先に起こっている場合です。
インナーマッスルの運動として知られているゴムチューブを引っ張る運動ですが、ゴムチューブを持って肘を曲げた際に上腕二頭筋の内側に力が入ると肩甲骨が前方に引っ張られて脇が締まります。
そうなると肩関節の動きを制限するようになり回転を妨げられるので、背骨を動かすなどの代償動作が起きます。
このように、他の関節の動きが目的の関節の動きを妨げてしまうことがあります。
この場合は、肘を曲げる動作を上腕二頭筋の外側を使うことで、脇が締まるのを防ぐことができます。
まとめ
そもそも弱かったり、アウターマッスルが強すぎたり、他の関節の動きに制限されるなど、使えない理由は様々です。
闇雲に鍛えようとするのではなく、しっかり原因を見極めて対応してみてくださいね。