身体(関節)は硬くても柔らかすぎてもダメ

柔軟性

一時期、開脚が流行りましたよね。

開脚して身体がぴったり床につく方法の本がヒットして、テレビなどでも取り上げられていました。

開脚は、股関節の柔軟性が必要になりますが、では、関節は本当に柔らかいほど良いのでしょうか。

身体が硬いってどういうこと?

身体が硬いというと体力テストの体前屈の値がマイナスだったとか、長座で骨盤が立たないとか色々なイメージがありますよね。

基本的に、「身体が硬い」というのは筋肉が硬く伸びにくくなっている状態です。

女性に比べて男性の方が身体が硬い印象があるのは、男性の筋肉のほうが硬い傾向があるためです。

バランスによって硬いと勘違い

しかし、それとは別に身体のバランスのとり方が苦手な場合にも身体が硬いと勘違いしてしまいます。

例えば、あぐらをかいたときに両方の膝が浮き上がってつかないという方、意外に多いのではないでしょうか。

実は、これは股関節が硬いのではなく、脚を引き寄せるときに上半身が倒れないようにするために、身体を丸めて股関節を無意識に締めてしまっているからなんです。

無意識に力を入れているため、力を入れているという認識がないので力が抜けず、ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるという状態になってしまっています。

このような方は、長座やあぐらなどの座り方の際の筋肉の使い方がわかると自然に力が抜けて、骨盤が立ったりあぐらで膝がつくようになりますよ。

ペアになって両膝に乗って体重をかけるような強制的なストレッチがありますが、怪我の原因になるのであまりオススメできません。

体前屈も、下の画像のように身体を曲げる場所が股関節ではなく、腰から曲がっている人はマイナス傾向になりやすくなります。

前屈する女性

身体が前にブレたりする恐怖感で重心が後ろに下がってしまったり、画像のように膝が過伸展(伸ばしすぎて膝が凹んでいる状態)になっている場合に見られます。

関節は柔らかいほど良いの?

身体が硬いと怪我をしやすくなると言われて、スポーツをする人はストレッチなどをしますよね。

確かに、身体が硬いということは関節の可動域が狭くなり、硬すぎる筋肉は急激に引っ張られて筋肉を損傷するような怪我をする頻度もあがります。

なので、関節の可動域ぐらいには広がるように緩めておくことで怪我の予防になります。

ところが、筋肉が柔らかすぎても問題になるんです。

関節周りの組織が損傷しやすくなる

筋肉が、関節の可動域を制限するということは、逆に言うと筋肉は関節のストッパーの役割をしています。

しかし、筋肉が柔らかすぎるとこのストッパーとしての役割が弱くなります。

靭帯が伸び切ってしまった

なんて言葉を聞いたことはないですか?

靭帯は、関節の可動域を制御している体組織なのですが、筋肉が緩かったり力が弱かったりして大きな力がかかった時に筋肉のサポートがないと靭帯がその力を受けてしまいします。

靭帯は筋肉のように瞬間的に強くなったり、収縮したりする組織ではないので強い力がかかると伸びたり切れたりしてしまうわけです。

また、肩は可動域が広すぎるため靭帯のサポートも弱く、大きな力がかかると骨がズレたり脱臼したりします。

筋肉と関節の関係性がずれる

四つん這いで床を強く推したりする時、肘を内側に捻って肘の内側が前に向いてしまったり、腕のトレーニングをしている時に、腕をねじって動かしてしまう方がいます。

筋力が弱く関節が柔らかい人に多いのですが、関節をロックして使うクセが付いてしまっているためです。

筋力が弱い女性に多く、筋肉で支えられないために関節をロックすることで、動きを制御してしまいます。

そうすると、肩や肘などの関節がねじれて、本来動かなければならない筋肉ではなく別の筋肉が動いてしまうことになります。

二の腕の引き締めをしたくてトレーニングしているのに、肩や首が痛くなる方はこの可能性がありますよ。

バランスが大切

関節は硬くても柔らかくても怪我の原因になってしまうので、

硬い人は、ストレッチなどで筋肉をしっかり緩めて柔軟性を高める

柔らかい人は、関節が安定していなければ筋力をつけて関節の安定力を高める

ことを意識してみてください。

強くてしなやかであるというバランスがとても大切ですよ。