縦?横?力の方向と股関節の動き
- トレーニング
- 2022/03/26
- 2022/03/26
立っている時股関節にはどのような方向に力がかかっているイメージですか?
姿勢が崩れているときによく見かけるのが、膝を極端に引いて太ももの前にガッチリと力を入れて立っている方や、逆に腰が落ちてしまって背骨全体が丸まってしまっている方。
股関節は動きのイメージと力のかかる方向が違う関節です。
今回は、股関節を動かすときに力の方向のお話です。
股関節の形状
最初に股関節の特徴について見ていきます。
関節は、その形状や動きでいくつかの種類に別れています。
例えば、肘は扉の蝶番のように動くので蝶番関節と呼ばれています。
股関節は太ももの骨がボール状の形をして、骨盤の穴に収まるような状態なので臼状関節と呼ばれます。
股関節部分がボール状の形をしているのは、肩関節のように動きの自由度を高くするためです。
色々な方向に柔軟に動かせるということは、逆にいうと不安定になりやすいという特徴もあります。
不安定になりやすいので、安定させるために筋肉を使う必要が出てくるんですよ。
骨盤と力の方向
では、不安定な股関節を安定させるための力の加わり方が違うと何が起きるのでしょうか。
イラストは、左から
- 骨盤が安定している状態
- 股関節に体重をかけて骨盤が後傾している状態
- 膝を突っ張って骨盤が前傾して腰が反っている状態
になります。
骨盤に起こっている矢印を見てもらうとわかりますが、安定しているときは股関節に地面に対して垂直(縦)方向に力がかかっています。
骨盤が前傾や後傾している場合は、股関節に地面に対して水平(横)方向の力がかかっています。
姿勢が崩れてしまっている人は、股関節を縦方向に引っ張る筋肉が弱くなってしまっているのが原因なんですね。
特に、太ももを内側に巻き込むタイプの人は、股関節の曲げ伸ばしの主筋肉となる腸腰筋を固めたり臀筋群の動きが悪くなり、代わりに太ももや腰回りの筋肉に頼って身体を使うクセがついてしまいます。
そうすると疲れやすくなり、筋肉で安定させるのではなく関節をロックすることで安定させて、立ったり歩いたりするようになります。
それが、骨盤の前傾や後傾につながってしまうわけです。
また、太ももが太くなったり腰痛を引き起こす原因でもあるんですよ。
垂直(縦)方向につながる筋肉
では、垂直方向に引っ張るために使われる筋肉はというと
腹横筋、骨盤底筋群、内転筋などの筋肉になります。
腹横筋と骨盤底筋群は、腹部の内圧を安定させてくれる筋肉でもありますが、同時に股関節の安定のためにも使われます。
また、内転筋は骨盤と太ももの骨をつなぐ筋肉です。
内ももを締めてと言われるときに使われますが、太ももを巻き込んで使う人は内転筋を使っているようで、実は太ももの前の筋肉の内側を使っていたりします。
仰向けて脚を上げるときに腰が反ったり、脚の筋肉がすぐに疲れてしまう人は体幹との連携ができていないために、このように部分的に筋肉を使うクセがついているので、立っている時も連携できないために縦方向に引っ張れません。
ヒップリフトでも同じ考え方になります。
ヒップリフトは、仰向けでお尻を上げていくので上下方向の動きのイメージですが、実は股関節は横方向に引っ張られています。
ネックレスの鎖を横方向に引っ張ると真ん中のたるんでいる部分部分が縦方向に動きますよね。
つまり動きと力の方向が必ず同じ方向ではないということなんですよ。
まとめ
立っている時や歩いている時にちょっと気にしてみてくださいね。縦方向か横方向かご自分の力はどちらに向いていますか。
横方向に向いている場合は、イメージを切り替えてみてくださいね。