老後の貯筋、大丈夫ですか?
- 健康・予防
- 2021/12/10
- 2021/12/10
老後に2000万円必要というニュースが話題になりましたね。
NISAやつみたてNISAなど日本でも徐々に投資の環境も整ってきていますが、老後には貯筋もないと認知症や寝たきりリスクが増えてしまいますよ。
今回は、年齢と運動のお話です。
加齢による変化
人の体は20歳をピークに加齢と共に低下していくというお話を聞いたことありますか?
アスリートを見ていると16歳ぐらいから20代前半をピークに、それ以降は減ってきますよね。
もちろん、30代や40代でも現役で活躍しているアスリートやプロスポーツ選手もいますが、しっかりとトレーニングをして、さらにメンテナンスもしているという方がほとんどです。
一般の人は20代から身体を動かしていないという方も多くいるのではないっしょうか。
身体は動かしていなければ、下降する一方になります。
特に、50歳になると急激に低下して筋肉量は、30~40%減少すると言われています。
さらに、60歳を超えると年1.5%程度減少されると言われており、身体を動かさなければ筋肉量はどんどん減っていくことになっていしまうわけです。
サルコペニア
2016年に「サルコペニア」と呼ばれる加齢による筋肉量の減少や低下などを指す言葉が疾患として登録されました。
サルコペニアの定義は
- 筋肉量の減少
- 筋力の低下
- 運動能力の低下
の3つで、筋肉量が減少していることに加えて、筋力もしくは運動能力が低下した状態を指します。
すでに65歳以上の高齢者の15%がサルコペニアのであると考えられており、2019年では500万人が該当すると言われています。
年齢が上がることで、
- 運動神経系の単位(筋肉を動かしている神経の集合)が減少することで、筋肉の動きが小さくなる
- 筋肉を作り出すホルモンの量が減ることで、筋肉が作られにくくなる
- 食が細くなったりしてタンパク質を取る量が減ることで筋肉の材料が減る
などのサルコペニアになるような身体的変化の要素が増えていきます。
さらに、筋肉量が低下すると基礎代謝が下がるため肥満になりやすく、体重が増えると下半身への負担が増加し、膝や足首などの関節で痛みなどが起こりやすくなります。
痛いので動かなくなるとさらに運動量と筋肉量が減少し、結果代謝が減るという悪循環に陥って症状が重くなっていきます。
女性は運動量の低下にホルモンバランスの変化による骨粗鬆症のリスクもアップします。
運動量の低下で認知症のリスクも増加していくと身体だけでなく内臓や脳にまでドンドン負の連鎖が膨らんでいってしまうんですよ。
貯筋で快適な老後を
筋力の低下は、70歳ぐらいから明確に自覚することが多くなるようですが、50歳からすでに大きな減少は始まっています。
なので、40歳ぐらいから運動習慣をつけることが大切ですよ。
筋力については、筋パワー(筋肉の出力)、筋肥大(筋肉の太さ)、筋持久力(筋肉のスタミナ)のいずれも年齢に関係なく運動によって増加できることがわかってきています。
また、運動することによって糖の利用を促進したり、貯蔵庫である筋肉を増やすなどインスリン抵抗性を改善効果も期待できます。
さらに、運動することで骨密度の改善に必要な骨への刺激を入れることもできますよ。
運動の選択
では、どんな運動をすれば良いのでしょうか。
高齢者は、手に比べると足の方の神経調節が低下しやすいことがわかってきています。
さらに、下半身には太ももやお尻などの大きな筋肉があるので下半身の運動がオススメですよ。
運動に慣れていない人で膝などに不安のない方は、まずは歩くことから始めましょう。
歩く時には、片足に体重の1.2倍の負荷がかかります。
速歩きであればもっと強い負荷をかけることも可能なので、強度の調整がしやすいという特徴もあり、30分程度歩くことで心肺機能の向上も期待できますね。
もし、膝などに不安があるのであればあまり膝関節を動かさない筋トレから始めてみましょう。
椅子のヘリにお尻を乗せてお辞儀をしたように腰掛けた状態で片足を痛みのない程度に脚を伸ばします。
そのまま伸ばした脚を10cmほど持ち上げて5秒程度キープしましょう。片足が終わったら反対の脚を同じようにおこなってください。
無理なくできるようなら時間を20秒ぐらいまで伸ばしてみてください。
他にも、寝転んだ状態で膝の下に丸めたバスタオルを入れて膝でゆっくり押さえたり、持ち上げたりという方法もありますよ。
運動に慣れてくれば、プールで水中ウォーキングをしたり、体操教室に参加するなど運動の幅を広げてみてください。
もちろん、筋トレをして筋肉にしっかり負荷をかけるのもいいですよ。
ただ、筋トレだけだと心肺機能の向上が難しいため、歩くなどの有酸素運動も取り入れてくださいね。
できれば、週に2~3回程度は身体を動かす習慣をつけられるようにゆっくりと継続してみてください。
まとめ
今回は、加齢によって起こる身体の変化についてのお話でした。
40代~50代はまだまだ会社が忙しいと言う方もいるかも知れませんが、老後の貯金と一緒に貯筋計画を立ててくださいね!