その痛み、本当に歳(加齢)だからだけなの?
- 健康・予防
- 2017/02/24
- 2019/04/18
「加齢だから、仕方ないですね。」
関節や腰の痛みなどで病院に行ったとき
レントゲンを撮っても特に問題ない、病的なものは見つからないなどの理由から
結果、『加齢』と言われた経験ないですか?
歳を重ねればどこかしらに痛みは出てくるものかもしれません。
しかし、その痛みは本当に年齢だけが原因なのでしょうか?
歳をとれば痛みは絶対出るもの?
加齢だけが原因であれば、年齢を重ねるほど症状が増えるということになりますよね。
では、腰痛を中心にデータを見ていきます。
(各数値は、腰痛に関する全国調査(2003年)-日本整形外科学会より抜粋させていただきました。10年以上前のデータですが、生活環境が劇的に変化しているなどの要素がないためこのデータをベースに考察しました。)
まず、治療を必要とするほどの腰痛がどの年代において起きているかを見てみます。
腰痛経験あり | 腰痛経験なし | ||
10歳代の時 | 男性 | 6.9% | 93.1% |
女性 | 5.7% | 94.3% | |
20歳代の時 | 男性 | 15.9% | 84.1% |
女性 | 14.5% | 85.5% | |
30歳代の時 | 男性 | 25.2% | 74.8% |
女性 | 18.9% | 81.1% | |
40歳代の時 | 男性 | 30.8% | 69.2% |
女性 | 22.7% | 77.3% | |
50歳代の時 | 男性 | 35.0% | 65.0% |
女性 | 27.4% | 72.6% | |
60歳代の時 | 男性 | 34.8% | 65.2% |
女性 | 36.4% | 63.6% | |
70歳代の時 | 男性 | 34.5% | 65.5% |
女性 | 43.4% | 56.6% |
女性は確かに年齢と比例しているように思われますが、男性はむしろ30代から50代にすでに経験している方の方が多いという結果になっていますね。
しかし、うち71%は、「中腰で作業した」「重いものを持ち上げた」「同じ姿勢で作業した」などの腰痛になるきっかけに心当たりがあると回答しています。
つまり、加齢によって起こったというよりも、何らかの原因があって結果的に腰痛が発生した場合の方が圧倒的に多かったということになります。
ここまで見ていくと加齢は確かに要素にはなりそうですが、必ずしも原因ではなさそうです。
考えられる原因は何?
では、なぜ痛みは出てくるのでしょうか。
考えられる原因は3つ。
先天的な問題
先天的な問題は、各関節などが個人によってユニークなために起こります。
例えば、股関節のジョイントの部分が浅かったり、骨の角度が外れやすい角度だったりすると関節に影響が出てきます。
この場合は、筋力でカバーできているうちは良いのですが、筋力が低下してくると痛みなどとして現れます。
これは、加齢による筋力低下が考えられますので加齢が原因と言えそうですね。
ただし、すべての人に当てはまるわけではありません。
病気やケガによるもの
転んで骨折した、激しくぶつけたなどなど、外的な要因が原因として発生する場合です。
それ自体は、年齢とは特に関係ありませんが、若いころは問題なかったものが加齢とともにということはありえます。
また、年齢とともに発生する可能性が高い病気としては骨粗鬆症。
特に女性は、中学から高校にかけては骨の成長にとって重要なこの時期に無理なダイエットをしたり、激しい運動を繰り返すなどするとホルモンバランスが崩れ、脆い骨になっている場合があります。
※この場合は、骨粗鬆症などのお医者さんの見解があると思います。
先のデータで閉経後にあたる60歳代以上の女性に、痛みを訴える方が多いのはこれが原因かもしれません。
動作のクセの積み重ね
これが一番多い原因だと思います。
日常の何気ない、「立つ」「歩く」「座る」などの動作にクセがあると、一部の筋肉が硬直したり、逆に必要な筋肉が動ないことで、関節に負荷がかかります。
特に、関節や背骨は歩いたり走ったりすることで発生する衝撃をで和らげる必要がありますが、関節が固くなっていたり、筋肉によるねじれが生じていると直接衝撃が蓄積して痛めてしまうわけです。
歩いたり座ったりは、すべての人に共通することなので、関節に負荷がかかるようなクセがあるひとが、時間経過(加齢)とともに蓄積して痛みはじめます。
関節に負荷がかからない人や、筋肉が適切に動かせている人は痛みがでないということになります。
どのような対処をすればいいの?
考えられる原因から必ずしも
歳をとること ≠ 身体が悪くなる
ということはわかっていただけたと思います。
先天的な要素がなく、ケガや病気などの原因の場合は、
「その周りをカバーするような筋力をつける」
ことで痛みを軽減することができます。
必要な筋肉などをしっかり把握して筋力をつけてください。
そして、身体に癖のある人は
「筋肉を適切に動かせるようにすれば良い」
ということになります。
こういう方は、まずご自分の動作をチェックすることをオススメしています。
- 鏡を見ながらゆっくりと膝を曲げた時に、膝同士がぶつかる
- 椅子に座っているときに、骨盤が極端に後ろに倒れている
- 立っているときに、お尻がノッペリと垂れ下がっている
- 浮き指で、膝が極端に伸びきっている(反張膝)
などです。
猫背などは、むしろ骨盤から派生していることが多いのでまずは下半身からチェックしてみてください。
特に、股関節の動きが悪くなっていると様々な痛みを引き起こしているなぁと、経験的に感じます。
歳だからとあきらめるのではなくて、ご自分の身体をしっかりチェックして正しく動かすことで痛みが軽減することもありますよ。
注意
ビリビリと電気が走るような痛みや痺れなどは、神経になんらかの問題があることが考えられます。
背骨や神経に異常がある場合が考えられますので、きちんとお医者さんにそういう種類の痛みだということをお話ししてくださいね。
また、すでに痛みがある方は、まず整形外科でレントゲンをとって、骨に異常がないかを確認したうえで行ってくださいね。