肩こり・猫背の意外な犯人

肩こりに悩む女性

首周りの筋肉を緩めたり、胸の筋肉をストレッチしたりしているのになぜか肩が前に迫り出してしまう。

実は、これはある筋肉が原因で起きています。

今回は、肩甲骨を引っ張る筋肉のお話です。

胸には二種類の筋肉がある

厚い胸板と言うように胸の厚みを作っているのは大胸筋です。

大胸筋は、胸の中心にある胸骨から鎖骨にかけての骨と腕の骨を繋いでいます。

この筋肉が固くなると腕の骨を巻き込むのでいわゆる巻き肩になります。

なので、巻き肩の予防には胸のストレッチが重要と言われます。

しかし、胸にはもう一つ小胸筋と呼ばれる筋肉もあります。

この筋肉は、大胸筋の下にあるのですが、大胸筋と違って肩甲骨についています。

この筋肉が固くなると肩甲骨を引き上げます。大胸筋が横方向に骨を引っ張るのに対して、小胸筋は縦方向に引っ張ります。

腕の骨は肩甲骨につながっていますから、どちらも引っ張ってることになります。

そうするとより強い巻き肩になってしまうことになるわけです。

肩甲骨が持ち上がって巻き肩が強くなれば、首をすくめたような状態になるので、首周りが凝ってしまうことになります。

胸のストレッチでは解消できない

巻き肩などを解消しようとして、気軽にできる後ろで手を組んで行う胸のストレッチがあります。

胸のストレッチ

しかし、このストレッチでは小胸筋を伸ばすのはなかなか大変です。

ストレッチの方法は腕の骨を外側に回すことによって大胸筋を横方向に引っ張るのですが、小胸筋は縦方向に引っ張るというお話をしました。

より強く伸ばそうと腕を持ち上げると肩が前方向に倒れるため小胸筋はむしろ縮む方向に動きます。

また、手を下方向に引っ張れば伸びなくはないのですが小胸筋が固くなっている人は、上手く肩甲骨を引き下げられず、肋骨を持ち上げるように動かしてしまうため、肋骨についている小胸筋は一緒に持ち上がってしまいます。

このように小胸筋は意外にストレッチすることが難しい筋肉なんです。

直接触ってみよう

小胸筋をマッサージしてみましょう。

小胸筋は、肩甲骨の烏口突起という部分に付いています。

鎖骨の下を胸の中心から触っていくと肋骨が次第に後ろに回り込んで少し空間ができます。

その辺りを少し探してみると腕の骨の手前にちょっとだけ硬い部分が出てきます。

それが烏口突起です。

肩周りの骨

烏口突起が見つかったら、そこから下方向に肋骨に向かって少し斜めに小胸筋が付いています。

小胸筋の位置がわかったら、その部分をテニスボールなどでゴロゴロしてみましょう。直接、手でやっても良いのですが、固くなっているとかなり痛みがあったり、傷つけてしまうこともあるので大きな面でアプローチできるボールなどがオススメです。

最近は、マッサージガンなどもありますので上手に使ってくださいね。

緩んできたら、烏口突起を少し後ろに動かすのを意識しながら肩甲骨を動かしてみましょう。

動きが感じられれば、肩周りを動かしてみてください。大きく動くようならば成功です。

まとめ

本来は、肋骨を持ち上げて胸周りのリフトアップ効果のある小胸筋ですが、腹圧が下がって肋骨が下がると逆に肩甲骨を引き下げる役割をしていしまいます。

逆効果にならないよう腹圧もしっかりコントロールできるようになってくださいね。