【素朴な疑問】ゴルフで脚が踏ん張れない

ゴルフのスイングをする男性

ゴルフでは、テイクバックの時は左脚、振り切る時は右脚でそれぞれ地面を踏んで体重移動をしながら股関節を回旋していきます。

しっかりと踏ん張れないと回旋がうまくいかず、腰を引いたり身体の上下動が起こるなど軸が安定しなくなり、力がしっかり伝えられなかったり、打球の方向が不安定になることもありますよね。

筋力などに問題がないのに踏ん張りがうまくいかないのは、股関節周りの筋肉がしっかり使えていないせいかも知れませんよ。

今回は、股関節の回旋と踏ん張りのお話です。

股関節の安定が鍵

ゴルフでは、股関節の動きがとても重要になってきます。

しかし、最近は内巻き型や太ももの前を主に使うなど股関節の動きが不安定な方をとても多く見かけます。

この状態では、身体を支えるために股関節を固めてしまうため動きが悪くなります。

結果、動きをカバーしようとして膝や腰、骨盤などの本来は動きたくない部分が動いてしまうために身体の軸が安定しなくなってしまうのです。

股関節には、多くの靭帯があり関節が外れないようなっていますが、靭帯はあくまでも関節の骨同士が離れるのを防いでいるもので、関節の可動域内までは動きます。

なので、靭帯は関節の動きを制限しているものであって安定させているとは言いにくいものです。

関節を安定させているのはインナーマッスルと呼ばれている筋肉で、股関節には深層外旋六筋というインナーマッスがあります。

深層外旋六筋が動くことで、太ももの骨が骨盤にしっかりとはまって股関節が安定した状態になります。

股関節が外旋六筋によって安定すると腹筋や臀筋、内転筋などの筋肉群とも連動して身体の軸が安定しやすくなります。

また、今まで股関節の安定の仕事をさせられていた筋肉群は、本来の股関節の動きに使われるようになります。

軸が安定しないという方は、実は股関節をうまく安定していなかったことが原因かも知れませんよ。

動きは背面の筋肉を中心に

股関節が安定してもメインで使われる筋肉が違うとやはり軸はズレます。

意図的に脚を踏ん張ろうとすると通常膝を伸ばそうとして動きます。

膝を伸ばす筋肉は、太ももの前の筋肉になるため太ももの前に力が入りやすくなりますが、この時同時に骨盤を前に引っ張る力も働きます。

骨盤が前傾するので身体が前に倒れて膝が後ろに動くため前に倒れ込むような動きになり、反対の脚が必要以上に内側に倒れやすくなります。

骨盤が不安定になるので上半身を無理やり起こして腰が痛くなったり、身体が回らず腕だけでクラブを持ちあげたり、無理にねじろうとして腰が引けたりなど、身体がチグハグになって動いてしまうわけです。

実は脚の動きは意図的に踏ん張ると言うよりも、股関節の動きに従って自然に地面を押すような感じで動きます。

この時動いているのは、太ももの後ろのハムストリングスになります。

ハムストリングスは、膝を曲げる筋肉なのでちょっと不思議に感じるかも知れませんが、骨盤を後傾させ上半身を起こす作用もあります。

両足同時に動けば上半身を起こしますが、片足だけ動くと骨盤が反対の足側を向くよう股関節を押し出します。

この動きが、ゴルフの重心移動と股関節の回旋の動きになるわけです。

ハムストリングスを使った股関節の動きを体験してもらうと自然に身体が動くのを感じてもらえますよ。

まとめ

スポーツの動きがなかなかうまくできないという場合は、そもそも使っている筋肉を間違っている場合があります。

間違った筋肉の動きは軸が安定しなかったり無理に動くことで他の部位に痛みが出るなど様々な問題を引き起こす可能性があるのでご注意くださいね。