【素朴な疑問】筋肉は脂肪になるの?
- 素朴な疑問
- 2023/07/15
- 2024/05/16
筋肉と脂肪
身体は骨格を軸として内臓がありその上に筋肉や脂肪、筋膜などがあって皮膚という構造をしています。
筋肉は骨格をまたいで身体を動かす役割をしており、脂肪はエネルギーを蓄えるのが主な役割です。
最新の研究では、それ以外にも様々な役割を担っていることがわかっていますが、それぞれ役割が異なります。
このように筋細胞と脂肪細胞は分担する作業が違っているため異なる細胞です。
本当に入れ替わるの?
では、なぜ入れ替わったように感じるのかというと、筋肉の層の上に脂肪の層が重なっているからです。
筋肉は鍛えることで筋繊維が太くなって筋肉の断面積が大きくなっていくことで筋肉が大きくなります。
筋肉が太くなったからと言って単純に比例して脂肪の層が薄くなるということはありません。
しかし、筋肉が太くなると代謝がアップするので身体が必要とするエネルギーもアップします。
同じ食事をしていても、基礎代謝が増えることでエネルギー収支がマイナスになりやすくなり、身体に蓄えられている脂肪をエネルギーにすることで、脂肪が減るということは考えられます。
逆に運動不足などで筋肉を使わなくなると、筋肉のサイズは小さくなります。
ここで、筋肉が小さくならなければ苦労はしないのですが、身体は元々できるだけ脳や内臓などの生命維持に関わる臓器以外のエネルギーを減らすことで、生存可能性をあげようとするため、大量にエネルギーを消費しやすい筋肉については、使わなければ小さくしようとします。
結果、筋肉量に比例して基礎代謝が下がり、余剰エネルギーが増えるために脂肪に溜め込むようになります。
筋肉の層が薄くなり、余剰エネルギーを溜め込んだ脂肪の層が膨らむことで入れ替わったように感じてしまうわけですね。
このように筋肉と脂肪の細胞が直接入れ替わるということは起きません。
霜降り筋肉
筋肉と脂肪の細胞が直接入れ替わるということは無いと言いました。
しかし、筋肉の前段階の細胞にはちょっと厄介な性質があるんです。
筋肉には、トレーニングや怪我などで筋肉が損傷するとそれを修復するためのサテライト細胞という細胞が存在します。
この細胞は、通常時は休眠していますが筋肉に何らかの必要性が起こると活発になり分化して筋肉の補修などを行います。
しかし、筋肉を動かさないでいるとこのサテライト細胞が、脂肪細胞に変化することがわかってきました。
筋肉にも脂肪にも変化することができる細胞が存在するということなんですね。
だから、あまりにも運動していなかったりすると脂肪細胞に変化して筋肉の中に脂肪細胞が入り込んでしまういわゆる「霜降り筋肉」になってしまうということなんです。
入れ替わることはないけれど、運動しなさすぎると霜降り状になってしまう危険性があるということを知っておいてくださいね。
まとめ
人間は動物ですから身体を動かさないと骨が脆くなる、筋肉が細くなるなどあちこちに不具合が出てきてしまいます。
ハードな運動やトレーニングをする必要はないですが、エスカレーターやエレベーターよりも階段を使うぐらいからでも身体を動かすようにしてみてくださいね。