その猫背や肩こり、腰痛は肋骨が原因かもしれませんよ

パソコンに集中して猫背になる女性

猫背や肩こり、腰痛というと背骨が曲がっている印象から背筋を伸ばすとか、背中の筋肉を鍛えるというイメージがありませんか?

でも、実は肋骨がその引き金になっていることが意外に多いのですよ。

肋骨の構造

肋骨の構造

肋骨は、背骨の上部、胸の部分にあって肺や心臓などを防護していますよね。

それぞれ、背骨と1対1の関係で左右に張り出して湾曲し
肋骨の前の部分は軟骨で、胸の中心の骨につながっています。

なぜ軟骨でつながっているかというと実は動いているからなんです。

肋骨

呼吸と肋骨

腹式呼吸、胸式呼吸という言葉を聞いたことないですか?

腹式呼吸は一般的に言われるお腹を膨らましたり凹ましたりする呼吸ですが、胸式呼吸は肋骨を動かして行う呼吸です。

胸式呼吸を行う時、肋骨は肺の中に空気が取り込まれるのに合わせて膨らみます。この時に広がるよう動きがあるんですね。

ところが、長時間のパソコンなどで背中を丸めた状態が続いていると肋骨が背骨や腕に肋骨が圧迫されて動きが悪くなります。

この状態が長く続くと肋骨を動かす肋間筋や斜角筋などの筋肉の動きが悪くなり肋骨が動かなくなってしまいます。

そうなると肺が大きく膨らむことができなくなり呼吸が浅くなり、頭がボーっとしたり顔色が悪くなったりすることがあるんです。

肋骨が原因になる理由

では、なぜ、肋骨が猫背や腰痛の原因になるのでしょう。

背骨の構造と肋骨

背骨を観察してみると骨盤から頭に向かって伸びた背骨の上半分に肋骨がついていますね。
下半分には、背骨しかない状態です。

肋骨と背骨の構造

肋骨のない背骨の部分には、胃や腸などの内臓があり、それを腹筋が取り囲んで横隔膜や骨盤底筋と連携しながら腹圧で支えている状態になります。

姿勢によって肋骨が固まる

しかし、パソコン作業などの時に起きやすい身体が前傾してずっと肋骨がお腹の上に乗っかった状態で固定して内蔵を圧迫し続けるような姿勢は腹圧の低下を招きます。

腹圧が低下すると、背骨は身体を支えられずに肋骨が前に傾いて胃の上にずっと乗ったような状況になって固まっていくのです。

前傾して固まった肋骨は柔軟性がなくなるので、背骨が丸くなり肩甲骨が上に引っ張られます。
こうやって背骨の上半分は肋骨でロックされてしまうので、動く場所が下半分の腰の部分だけになります。

それで、背筋を伸ばそうと身体を動かすと腰の筋肉だけが収縮してしまい、反り腰の状態になるために腰の筋肉ばかりに負担がかかってしまうわけです。

肋骨を緩める運動

固まってしまった肋骨を前後方向に動かそうとすると先にお伝えしたように腰回りだけが動くようになってしまいます。
なので、まずは横方向の動きやねじる動きなど別の方向に動かすか、もしくはストレッチポールなどで圧迫するという方法ととります。

肋骨は、軟骨につながっているのでゆっくりと圧をかけている場合は、折れることはありません。ただし急激に圧迫すると折れてしまうのでジワジワと圧をかけるようにしましょう。

特に、呼吸に合わせて動かしてあげると効果的です。

肋骨を圧迫する時には息を吐き、緩める時に息を吸って肋骨の広がりを感じます。

肋骨が動くようになると、背骨の上半分が動かしやすくなり、肩甲骨も下がるようになります。
そうするとお腹にかかっていた重しも外れるので腹部も動きやすくなります。

肋骨が硬い状態でドローインなど腹圧をあげようとしても、それは肋骨による圧で凹んでいるだけなのであまり意味はありません。

まずは、固まっている部分を動かすようにしてくださいね。