猫背を改善するための肋骨と鎖骨と肩甲骨
- トレーニング
- 2023/04/30
- 2023/04/30
トレーニングやピラティスを始めるキッカケが、猫背や反り腰などの姿勢を改善したいという方も多いですよね。
背骨周りの筋肉や体幹を鍛えたり、ストレッチしたりすることで姿勢改善を目指しているけれど、なかなか改善しないという方も多いのではないでしょうか。
背骨の動きを改善するためには、背骨につながっている肋骨の動きも大切です。
今回は、姿勢を整えるための肋骨の動きとそれに連動する鎖骨、肩甲骨のお話です。
姿勢と骨
猫背は背骨全体が大きく丸まっているものから、背骨の上部が丸くなっていたり首が前に倒れていたりする部分的なものまで様々ですよね。
猫背は背骨の状態によって身体へのアプローチは変わってきます。
骨盤が関係する猫背
骨盤が関係する猫背は骨盤を支える体幹や脚の筋肉が弱くなることで、骨盤が後傾して背骨全体がしなるような状態になりながら頭を支えているタイプの猫背です。
このタイプは背中の筋肉よりも先に、脚や体幹などの筋肉で骨盤を正常な状態に戻すことが必要になります。
肋骨や肩甲骨が関係する猫背
お腹の上に肋骨がのっかるような状態で背骨の上の部分だけが丸まっていたり、無理に状態を起こそうと反り腰になっているタイプの猫背です。
また、頭が前方に出て胸の上の部分が落ち込んでバストトップが下がりやすいという特徴があります。
このタイプは背中の筋肉や体幹の筋肉にフォーカスされがちですが、肋骨の動きが悪くなっていることが多く肋骨など骨の動きにアプローチするほうが効果的だったりします。
もちろん骨盤が関係する猫背でも肋骨が下がって、肩の位置が前に来るのでどちらの場合も肋骨にアプローチすることは効果的ですよ。
肋骨と肩周りの骨
最初に肋骨と肩周りの骨を見ていきましょう。
肋骨
肋骨は、胸椎と呼ばれる背骨の部分と胸の真ん中にある胸骨という骨を弧を描くようにつないでいる骨です。
左右が対になっていて全部で12対24本あります。ただし、すべてが同じというわけではありません。
首から数えて5本はそれぞれが背骨と胸骨を1対1で繋いでいますが、6~10までは背骨とは1対1ですが、胸骨側では1つの軟骨につながっています。
さらに、11と12肋骨は、背骨側だけにつながっていて胸骨側にはつながっていません。
このように肋骨は、上部中部下部で構造が異なっています。
構造が異なるということは、その動きも異なっています。
胸式呼吸の時に見られる胸が膨らむ動きは上部の動きになります。
中部は横に膨らむような動きになり、下部はクワガタの顎のような動きになります。
鎖骨
鎖骨は胸骨と肩甲骨と繋いでいる骨です。
女性の首元の見え方で注目されやすい骨ですが、肩や腕の動きのもとになっている骨で前後上下に意外に動いています。
このため、鎖骨の動きが制限されると肩や腕の動きに影響します。
肩甲骨
肩甲骨は背中にある三角形をした骨で腕の骨とともに肩関節を形成しています。
肋骨との間は肩甲胸郭関節と呼ばれていますが、他と違って関節としての構造はなく機能的に関節のような役割をします。通常の関節は鎖骨との間にある肩鎖関節だけになります。
腕の骨は肩甲骨にぶら下がっているような構造をしているので、肩甲骨の位置によって腕の位置も影響を受けます。
肋骨からアプローチする猫背改善
肋骨が落ちてしまっている場合、胸骨が下がって上部の肋骨は下方向に下がり、中部の肋骨は腹部に押され前や横に広がったような状態になります。
胸骨が下がるので鎖骨も一緒に引っ張られて胸骨と鎖骨につながる筋肉が頭を前に引っ張り頭が前に突き出したようになりやすくなります。
また、鎖骨に引っ張られて肩甲骨が持ち上がり首をすくめたようになって巻き肩になりやすくなります。
このように肋骨が起点になってつながっている骨がすべて、前かがみの状態に引っ張られてしまうわけです。
では、原因である肋骨にアプローチしていきましょう。
最初に固まっている肋骨を動かすことが必要になります。
肋骨は3つの動きがあると言いましたが、今回は上部と中部の2つの動きが関係してきます。
どちらも呼吸を使って動かしていきます。
まず、上部ですが胸骨の真ん中あたりに手をおいて上に持ち上げるように誘導しながら、呼吸で肋骨が膨らむようなイメージで大きく呼吸しましょう。
呼吸が入りにくい場合は、身体を抱きかかえるように腕をクロスして、右手で左脇の下の肋骨、左手で右脇の下の肋骨を引き出すように呼吸してみましょう。
この部分は固まっていると痛みを感じやすい場所ですので、無理しないでくださいね。
次に中部ですが、肋骨が下がっていると前や横に広がったような状態になっていることがあります。
肋骨がこの状態にままで背筋を伸ばそうとすると肋骨が前に突き出したような感じになりやすく、腰が反っていしまいます。
中部も手を添えて呼吸をしてみましょう。
肋骨の下側に丸い円をイメージで呼吸とともに円が膨らんだり縮んだりしているのをイメージしながら呼吸しましょう。
動きが出てきたら吐く時に、スケートのリフトをされているような感じで肋骨の円を縮めながら持ち上げるようにイメージしてみてください。
肋骨が動くようになったら肋骨を前方に広げる時に同時に肩甲骨を下げるように意識してみてください。
胸骨がしっかり持ち上げってくれば、鎖骨が広がって肩甲骨が動きやすくなっていますよ。
まとめ
トレーニングというと筋肉に意識がいきやすく、筋トレやストレッチが中心になりやすいですが、そもそもの骨格の動きが悪ければ、筋肉も制限を受けてしまいます。
骨格にも目を向けてみてくださいね。