骨盤にも関節がある
- 健康・予防
- 2021/11/14
- 2021/11/14
骨盤と言うと大きな一つの固まりというイメージが有るのではないでしょうか。
実は、骨盤はいくつかの骨によって形成されているんです。そして、骨盤にも関節がありとても重要な役割をしています。
今日は、その関節についてのお話です。
骨盤の構造
最初に骨盤の構造について見ていきましょう。
骨盤は、大きく分けると背骨の一番下に位置する仙骨と尾骨、骨盤の両側に蝶の羽のような形で存在する寛骨(ピンク色の部分)によって形成されています。
さらに寛骨は、腸骨、恥骨、坐骨という3つの骨から出来ています。ただし、この3つの骨は癒合しているので別々に動くことはありません。
そして、背骨部分の仙骨と寛骨の接している部分が、仙腸関節になります。
仙腸関節の役割は?
仙腸関節は、「不動関節」とも呼ばれており動かない関節とされて以前はあまり重要視されていませんでした。
では、なぜ動かない関節が骨盤に存在しているのでしょうか。
進化と仙腸関節
ここで、犬の骨格を見てみましょう。
犬の骨盤部分を見てもらうと背骨が地面に対して平行な位置にありますね。
四足歩行の動物では基本的に手足で身体を支えているため、骨盤が上半身を支えるという必要性がありません。
なので、動物の仙腸関節は人間のように上半身を支える存在ではなく、脚の骨を背骨とつなぎ脚の動きに関係する骨と考えられます。
ところが二足歩行になった際に、背骨と骨盤をつないでいる仙腸関節で上半身を支える構造になりました。
このため、仙腸関節の周りには強くてしっかりした靭帯が多く存在し、ブレないように支えています。
しっかりと固定されているために動きのない関節と考えられていたわけです。
仙腸関節の役割
しかし、近年では仙腸関節は数ミリ単位ではありますが動くと考えられるようになり注目されてきました。
では、その数ミリの動きで何をしているのでしょうか。
仙腸関節が上半身を支えているというお話はしましたが、同時に上下からくる衝撃を緩和する緩衝材のような役割を果たしていると考えられています。
歩いたり走ったり、ジャンプしたりした時に地面から来る衝撃を吸収して緩和してくれるとても大切な存在なののです。
仙腸関節と腰痛
腰痛といえば、肩こりと並ぶ現代病ですよね。
生活様式の変化や運動不足動きのクセなどで仙腸関節が使えていない人がかなり増えているんです。
いわゆる、反り腰や滑り腰の人などの骨盤の傾きが極端に前傾したり後傾したりしている人は、基本的に仙腸関節がうまく使えていません。
体幹が弱く筋肉で身体を安定させられない人は、基本的に股関節などの関節に頼って立っており、そのため骨盤周りの筋肉を緊張させることが多く骨盤の動きを阻害してしまいます。
そうすると腰や骨盤に無理な力がかかり、ズレや歪みを起こす原因になります。
このため、腰痛などのを引き起こしやすくなってしまうのです。
仙腸関節を動かそう
仙腸関節の動きをイメージする時は、まず骨盤から脚が動くイメージが必要になります。
太ももの前で歩く癖ががあるとかなり難しいので、ストレッチポールなどを使うと良いですよ。
ストレッチがなければ、バスタオルなどを巻いて応用しても大丈夫です。
- ストレッチポールに仰向けに寝たら、仙腸関節の間にポールが来るようにしてください。
- その後、腰がそらないように意識しながら、脚を伸ばしていきます。
- この時に、股関節ではなく仙腸関節から脚が伸びているのをイメージしてみましょう。
- 脚が伸び切ったら股関節がしっかりと伸びて仙腸関節のところで脚を支えているようなイメージをします。
- これを何度か繰り返します。
ストレッチポールだと高すぎる場合もあるので、腰がどうしても反ってしまうという人は小さく畳んで少し高さを出したタオルでもいいですよ。
動きが感じられたら、今度は仙腸関節から脚が動いているようにイメージして歩いてみましょう。
いつもより脚が長く歩幅が大きく感じられると思いますよ。
まとめ
今回は、骨盤にある仙腸関節のお話でした。
歩くことが減ったために骨盤周りの筋力が下がっているためか、仙腸関節が原因の腰痛も増えています。
腿裏の筋肉が硬かったり、太ももで身体を支えるクセがある人は気をつけてくださいね。