筋骨格 基本のキ 深層外旋六筋

筋骨格基本のキ 深層外旋六筋

筋肉や骨格の基本的な構造や動きを紹介する「筋骨格 基本のキ」シリーズ!

今回は深層外旋六筋と呼ばれる股関節の安定に関係するインナーマッスルです。

構造

深層外旋六筋は、文字通り6つの筋肉の総称で臀筋群の深層部にあります。

深層外旋六筋

梨状筋は、6つの筋肉の中で唯一仙骨という背骨の構成部分についていて、反対側は股関節をまたいで太ももの骨(大腿骨)についています。

その他の上双子筋と下双子筋、大腿方形筋は坐骨、内閉鎖筋と外閉鎖筋は閉鎖孔と呼ばれるそれぞれ寛骨の部位についていて、梨状筋と同じく反対側は股関節をまたいで大腿骨についています。

図のように梨状筋近くを坐骨神経が通っているため、梨状筋が硬くなると坐骨神経に影響して痛みやしびれを引き起こすことがあります。

腰などにヘルニアやすべり症などの異常がないのに長時間座っていたり運動していると痛みやしびれがあるという人は、梨状筋を緩めると改善したりすることがありますよ。

お医者さんに相談してから

梨状筋が原因で起こる痛みは梨状筋症候群と呼ばれる名称がついている病状です。自己判断でストレッチで済ませるなどはしないようにしてくださいね。

深層外旋六筋が動くと

深層外旋六筋は、まとめられているようにすべてが股関節を外側に回旋する筋肉です。

股関節が外側に回旋すると爪先が身体の外側に向くので、方向転換などをする時に動いています。

付いている位置の関係で、梨状筋は脚を外側に開く外転に、外閉鎖筋と大腿方形筋は脚を閉じる内転に少しだけ関与しています。

深層外旋六筋は動きにも関与しますが、肩の回旋筋腱板と同じように大腿骨を骨盤に安定させるようにも動くインナーマッスルになります。

トレーニングの種類

深層外旋六筋は、インナーマッスルなので単独でのトレーニングではなく他の筋肉と一緒に動かしていきます。

股関節を外に広げるのが主な動作になるので、横向きに寝て上側の脚を開くように動かせば深層外旋六筋も収縮します。

この時、大腿骨に手を当てて骨を骨盤に巻き込みながらしまい込むように意識すると効果的ですよ。

膝を開くことを意識しすぎると太ももの筋肉が動きやすくなるので、股関節から動かす意識が大切です。

膝が内側に回旋したのO脚やX脚の人は、外旋六筋が常に引っ張られて動きが悪くなっていることが多いため、横向きだと太ももの筋肉ばかりに意識がいってしまいがちです。

股関節の動きが意識しにくい時は、仰向けになって少し膝を曲げて片足ずつ横向きと同じように骨盤にしまい込むように意識しながら動かして、動きをイメージしてから行うとやりやすくなることがありますよ。

また、かなり硬くなってしまっている場合は先に緩めてからトレーニングしましょう。

お尻のエクボの部分にテニスボールを当てて圧迫するとストレッチしやすいのでやってみてくださいね。

まとめ

深層外旋六筋は、鍛えると言うよりはしっかり動かせるようにすることが大切な筋肉です。

特に梨状筋は、座りっぱなしなどで固まりやすく坐骨神経に影響する筋肉です。

柔軟で機能しやすい状態にしておくことが大切ですよ。