ダイエットに睡眠を
- 健康・予防
- 2022/02/12
- 2022/02/12
睡眠不足が食欲を促進して肥満傾向になりやすいという研究は以前からありましたが、睡眠不足の改善によって摂取カロリーが減少するというより明確な研究の結果が発表されました。
今回は、CNNのニュースからのお話です。
CNNの記事
昨日、CNNの記事として以下の内容が掲載されました。
(CNN) 太り過ぎの若者らに十分な睡眠時間を確保するよう指示した研究で、寝不足が解消されれば1日当たりのカロリー摂取量が減り、減量効果が出るとの結果が新たに報告された。
https://www.cnn.co.jp/amp/article/35183341.html
米シカゴ大学で行われた研究の論文からの抜粋で、睡眠時間が短い太り気味の若者のグループに1時間半程度長い睡眠を指導したところ、平均で270kcal、多い人で500kcalも1日の摂取カロリーが減少していたそうです。
また、今回の研究では自己申告によるカロリー計算ではなく、尿検査に基づいて計算されているとのことなので、より客観的なデータとして調査されたことが評価されているようです。
確かに、個人の食べた量を申告されると正確なデータとは言いづらいので、データとしては弱くなりがちですよね。
睡眠時間がダイエットに関係する原因
睡眠時間が伸びるとなぜダイエットに関係するのかについては、
- 食欲に関係するホルモンの影響
- 脳の回路
- インスリンの働きが悪くなる
という3点をあげています。
やはり注目したいのは、ホルモンの影響でしょうか。
睡眠不足になると食欲に関係する「グレリン」と「レプチン」というホルモンの分泌が増減することがわかっています。
グレリンは、主に胃から分泌されるホルモンで、成長ホルモンの分泌を促進したり食欲の亢進や脂肪蓄積に関係しています。
また、運動のモチベーションにも関係することもわかっているちょっと変わったホルモンです。
レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで食欲を抑制します。脂肪が、食欲を抑制するホルモンを出すというのはちょっと変に感じるかも知れませんが、元々脂肪細胞は脂肪を溜め込みすぎないように調整する役割もあるんですよ。
肥満の人はレプチンの血中濃度が低いのではなくが、比較的高い状態にも関わらず、レプチンが効きにくい状態になっている「レプチン抵抗性」が起こっています。
肥満になるとレプチンの働きを阻害する酵素が増えることでレプチン抵抗性引き起こされ食欲が低下せずに、さらに肥満が進むと考えられています。
睡眠不足では、グレリンが増加しレプチンが減少することがわかっています。
グレリンは、交感神経を抑制し副交感神経を活性化するという作用があるため睡眠不足で増加しても不思議ではないと思われますが、同時に食欲を増進してしまいます。
また、レプチンが低下することの相乗効果で食欲が増進してしまうと考えられます。
まとめ
ホルモンは、1つの働きだけに特化するのではなく相互に連携したり、複数の効果を持つためバランスが崩れると様々な弊害を起こします。
ホルモンがバランス良く働けるように、睡眠(休養)、(バランスの良い)栄養、適度な運動を心がけてくださいね。