積み上がっていく歪み

肩こりの女性

右の肩が上がる、左の腰が張る、頭がせり出しているなどなど身体に違和感を感じるときは左右や前後のどちらかだけに出ることが多くあります。

これは、身体が前後左右でバランスを取る結果です。

今回は、歪みがうまれる原因についてです。

歪みは全体に波及する

例えば、右足首の捻挫が起きたとしましょう。

右足首に負担をかけると痛むので、体重は必然的に左脚に乗せるようにして歩きます。

脚は次第に治っていきますが、この左脚に体重を乗せるというクセは意外に残ってしまいます。

そうすると身体は左体重になりやすくなります。

この時に左股関節の筋力が弱かったりすると左股関節を巻き込むように使いやすく、臀部の筋肉が引っ張られて疲労し固くなっていきます。

臀部の筋肉は、身体の横ずれを防いでくれますが、固くなるとうまく機能しないため横ずれが起こりやすくなり、結果的に骨盤が左外側に捻れます。

そして…。

というように、どこか一箇所が怪我などの理由でうまく使えなくなると、それを庇うように身体は全体で筋肉のバランスを変えていきます。

この時に、弱い部分があったり硬い部分があるとさらに捻れが起こり身体全体が歪んでいくことになります。

怪我以外でも起こる歪み

怪我によって身体のバランスが変わるだけでなく、普通に筋力が弱かったり姿勢が悪くて、本来の筋肉の使われ方と異なる筋肉の使い方をしているとやはり身体の歪みは起こります。

よくあるのが内旋型のO脚の人に多い、股関節を曲げる筋肉のエラーです。

股関節は通常腸腰筋という筋肉が主動で曲がるのですが、股関節により掛かるようにして立つ事が多い内旋型のO脚の人は、大腰筋が固くなっています。

腸腰筋

そうすると、大腰筋が上手く使えないので補助筋である太ももの前の大腿直筋や大腿筋膜張筋といった筋肉を使うようになります。

大腿四頭筋

大腿直筋や大腿筋膜張筋は、太ももを外側からひっぱるため身体が傾きやすくなり、それをカバーするように腰や脇腹の筋肉が骨盤を持ち上げるように動きます。

本来は動かない腰回りの筋肉が常に動くようになるので腰が疲れやすくなったり、片側だけが強くなって引っ張られたりすると身体が傾きます。

そうするとその傾きを肩が解消しようとして首をすくめたりするようになります。

このように筋肉の使い方のエラーからも身体は歪んでいきます。

歪みは元から正そう

左の首だけいつも違和感がある、右の腰だけ重だるいなどの場合は、その部位自体に問題があることもあれば、結果的にそこに問題が現れているということもあります。

例えば、いつも右肩でバックを持っているという人は右肩をすくめるクセがあるのかもしれません。

それであれば、右肩周りの筋肉をストレッチすればある程度は軽減しますが、やはりバックを持つという原因から考えて、バックの種類を変えたり荷物を軽くするような工夫が必要になります。

もし、右肩をすくめるくせが、股関節から来ているのであれば、右肩をいくらストレッチしてもすぐに戻ってしまうことになります。

なぜなら、股関節が原因で結果的に右肩をすくめているので、股関節の動きが変わらなければ右肩の動きは戻らないからです。

どうしても痛みや違和感があると、その部位をなんとかしようとしてしまいがちですが、身体は外的であれ内的であれ、なんらかの原因がなければ通常歪むことはありません。

必ずどこかに歪みの原因があるので、まずはそこを探すようにしましょう。

まとめ

万年肩こりやいつも腰に違和感があるという方は、鏡で姿勢などをチェックしてみてください。

立った時、足踏みした時、どこかにクセがあればそこから修正すると良いですよ。