気になる巻き肩、そのストレッチ大丈夫?
- 健康・予防
- 2022/02/09
- 2022/02/09
在宅ワークが増えてノートパソコンでずっと作業していますなんて人も増えたのではないでしょうか。
ダイニングのテーブルでノートパソコンでの作業だと猫背や巻き肩になりやすい環境です。
固まってしまわないように1時間おきぐらいにストレッチをして筋肉をリリースしてほしいのですが、胸の筋肉のストレッチがうまくできていないという人が多かったりします。
今回は、肩周りの骨とストレッチのお話です。
巻き肩の原因
肩が身体の前方に巻き込んだようになっている状態は「巻き肩」と呼ばれています。
長時間のパソコン作業などで腕を前方に出している状態が続くと起こりやすいのですが、腕を前方に出す方法がそもそも間違っているのが原因です。
本来パソコンの画面などは、視点を落とさないように目線の高さに合わせて置いてあげるのが良いのですが、ノートパソコンなどはどうしても視点が低くなるために顔が下を向きやすくなります。
この状態で頭だけを向けていると首が疲れやすくなり、更に目が疲れてくると画面に近づいてしまうため背中が丸まりやすくなります。
背骨が丸まると胸側の筋肉が使われるため背中側の筋肉が緩み、同時に肩甲骨を支えている筋肉も緩んでしまうために肩甲骨が外側に開きやすくなります。
胸の筋肉は肩甲骨につながっている鎖骨を引っ張り、更に首を前方に突き出すために首をすくめた状態になり肩甲骨が首側に引き上げられてしまいます。
さらに、胸の一部の筋肉は少しだけ前に出てきている肩甲骨を引き下げるため、背中側の肩甲骨は肋骨に沿って上方向に引っ張られます。
首を中心に緩やかなV字型に固定された鎖骨と胸側の肩甲骨が引っ張られるた状態で固まって元の状態に戻りにくくなり、「巻き肩」になってしまうんです。
巻き肩の改善
巻き肩を改善するためには、肩甲骨の位置を元に戻す必要があります。
そのためには、鎖骨や肩甲骨を引っ張っている胸側の筋肉を緩めれば良いのですが、実はこれがなかなか難しいのです。
起こりやすいエラー動作
よく胸のストレッチで紹介されるのは、画像のようなストレッチだと思います。
両手を後ろで組んで引っ張りながら胸を張るのですが、この時肩甲骨を下方向に引っ張る必要があるのですが、肩自体が固まっていると鎖骨や肩甲骨の位置が変わらないままになってしまいます。
これでは、狙っている胸の上部ではなく胸の下や腕が伸びてしまうんですね。
特に、女性は肩自体の関節が柔らかいために肩甲骨が動かずに腕の骨の移動だけで後ろで指が組めてしまい、肩の前だけが伸びていたなんてこともあったりします。
また、同時に丸まった背骨も伸ばす必要があるのですが、猫背で反り腰の状態だと胸の部分ではなく腰の部分を反らして伸ばしているような錯覚が起きます。
改善のために
まずは、丸くなってしまっている背骨を伸ばす事から始めましょう。
肩甲骨の間の胸椎を伸ばす場合は、ストレッチボールなどを使って背骨の横の筋肉を刺激してあげると効果的です。
引っ張られすぎて固まってしますと自力で動かすのはなかなか難しいので、こういったツールを使ってあげると効果的ですよ。
ボールの上に仰向けに寝ながら肩甲骨内側の間を上下に動かしてあげて、痛みが強い部分では少し体重をかけて20~40程度圧迫すると効果的です。
また、この時に肩甲骨でボールを挟むように動かせば肩甲骨の内側の筋肉の感覚がつかめたりします。
背骨や肩甲骨が動くようになったら、そのままボールの上で両手を頭の上に上げて背伸びをしてみましょう。
腰ではなくボールの上辺りで背骨が伸びる感じがつかめたらOKです。
背骨と肩甲骨が動いたら、背骨と肩甲骨を意識しながら胸のストレッチをしてみましょう。
背骨が動けば自然に肩甲骨が下方向に引っ張られると思います。
背骨が伸びているのに肩甲骨が下がってこない場合は、鎖骨の下を胸の中心から肩に向かってマッサージしてみましょう。
この時も指でグリグリ押すよりもボールを転がすようにしてあげると筋肉に負担がかかりにくいですよ。
また、肩の付根に近い鎖骨の下の部分に肩甲骨を下に引っ張っている小胸筋という筋肉があります。
この筋肉が固まっている人はかなりいますので、しっかり緩めてあげてくださいね。
まとめ
今回は、ストレッチをするために準備が必要な場合もあるというお話でした。
ストレッチはぜひやってほしいのですが、意識している部分が伸びていないなと感じたら、他の部位が邪魔をしていることがあります。
そんな時は、原因を取り除いて効果的なストレッチをするようにしてくださいね。