ストレッチするのはその筋肉で合ってますか?

ストレッチする男性

筋肉が凝るというとなんだか固く萎縮しているイメージないですか?

カチカチに固まった筋肉は血流が悪くなり酸欠のような状態になっているのでストレッチをして伸ばすことで、緩めて血流を改善するというのが、一般的ですよね。

でも、ちょっと待ってください。ストレッチする筋肉合ってますか。

今回は、ストレッチする筋肉を見極めようというお話です。

筋肉の収縮

筋肉は、収縮することで関節を動かしたり安定させたりします。

筋肉が収縮するというと肘を曲げるなど、関節が曲がったり力を発揮するイメージがあるのではないでしょうか。

しかし、筋肉の収縮には2つの考え方があります。

イラストの上のように肘を曲げる時、筋肉は短くなって腕の骨を肩の方に引き寄せてきます。

このような筋肉の長さが短くなりながら力を発揮している状態の収縮をコンセントリック収縮と言いいます。

力こぶができて、いかにも力を発揮しているようなイメージですよね。

ウェイトトレーニングなどでも収縮を意識してと言われると、このように筋肉が縮んでいる状態をイメージしてもらいます。

それに対してイメージとしてわかりにくいのがエキセントリック収縮ではないでしょうか。

これは、筋肉が引き伸ばされるのを我慢しながらもジワジワ伸びている状態です。

綱引きで一生懸命耐えているけれど力の差でジワジワと相手の方に引き寄せられている感じと考えてみてもらえるとわかりやすいでしょうか。

これ以外に、アイソメトリックと呼ばれるちょうど筋肉の力と引っ張ったり押したりする力が均衡していたり、関節を固定して筋肉だけを意識的に収縮させるなど筋肉自体の長さが変わらないけれど力を発揮している収縮もあります。

ストレッチする筋肉を見極めよう

筋肉の収縮には、縮む状態と伸びる状態がありました。

この収縮の状態の違いが実はストレッチする筋肉の見極めとして重要なんです。

例えば、左右の首の筋肉の状態で、左の筋肉が固く縮んでしまっている場合、首は左に引っ張られた状態になるので、右の筋肉は引っ張られてバランスを取っている状態になります。

筋肉は、伸ばされている状態を耐えている方が筋繊維が傷つきやすいと言われており、この時はむしろ右側の筋肉のほうが辛さを感じやすくなります。

電車などで居眠りをしていてずっと頭が左に倒れた状態でいると起きた時に頭をずっと支えていた右側の首が嫌な感じになったことないですか。

それと同じような状態を想像してもらえるとイメージできますか。

引き伸ばされて疲労しているわけですから、ストレッチはあまり効果がありません。

ストレッチは本来コンセントリック収縮によって縮んだままの筋肉を伸ばすことによってリリースすることが目的です。

エキセントリック収縮が原因の場合は、伸び切った筋肉をさらに伸ばすことになるわけです。

なので、逆に引き伸ばしている原因の筋肉をストレッチして引き伸ばされないようにしてあげることが必要になります。

では、どのように見極めれば良いのでしょうか。

一方の筋肉で他方の筋肉を引っ張ってバランスを取っている状態の時は、軸がブレるので鏡などを見るとわかります。

首であれば、鼻すじや顎先が中心よりもどちらかにズレています。

背骨が少し傾いている場合は、倒れていない方の腰が引き伸ばされている可能性があるというわけです。

これに対して、通常の肩こりなどの場合は筋肉が対抗している相手が重力なので、単純に首の筋肉だけが収縮して固まって疲労します。

このように方向や状態によって、筋肉同士が引き合っているのか、重力などの他の力に対して引き合っているのかによって、どの筋肉にアプローチするのかを見極めてみてくださいね。

まとめ

身体は状態によって対処方法が異なります。身体を知って、上手にお付き合いしてください。

ただ、かなり辛いとかよくわからない場合は、できるだけ専門の方に見てもらってくださいね。