サプリメントは膝の痛みに効果があるのか?

サプリメント

今回は、サプリメントについてのお話です。

膝の痛みに効果があると言われているサプリメントといえば、「グルコサミン」「コンドロイチン」が思い浮かびますよね。

これらのサプリメントが本当に効果があるのでしょうか。

厚労省の見解

まずは、厚生労働省の見解です。

変形性膝関節症に関して、海外の研究を調査した結果として以下のような見解を出しています。

グルコサミンは、ヨーロッパのいくつかの研究では効果が確認されたが、フラセボと比較してあまり効果に差がないという研究もあった。

コンドロイチンについては、有用であることは確認されなかった。

一部抜粋

厚生労働省eJIM

この結果は変形性膝関節症によるものなので、一般的な膝の痛みについてとは少し異なりますが、明確に効果が合ったとする研究結果は確認できないという見解のようです。

身体の構造から考える

では、サプリメントを摂取した際に身体ではどのように利用されるのでしょうか。

消化吸収

口から入ってきたサプリメントは分子の大きさによりますが、殆どの場合そのままの形で身体に吸収されることはなく、必ず消化という過程を経てから小腸で吸収されます。

その上吸収された成分は必ず軟骨成分になるわけではなく、その他の組織にも利用されます。

摂取した量のどれぐらいが軟骨成分に利用されるのかというのはわからないため、無駄とは言えないですが効率は悪そうですね。

軟骨の栄養補給

次に血液によって成分が運ばれたとしても、骨には血管が通っていますが軟骨には実は血管が通っていません。

このため骨のように直接血管から栄養を吸収するということができません。

軟骨は、関節液と呼ばれる液体を通して栄養や酸素を取り込んでいます。

その際に、関節に負荷がかかる必要があるのです。

負荷がかかると軟骨から水分が放出されてクッションの役割をし、負荷がなくなると軟骨内に水分が戻ります。

この時に一緒に栄養素や酸素を取り込んでいるわけです。

このため、全く動かない状態だと軟骨の水分移動が起きないので栄養などが取り込まれにくい状態になってしまうのです。

お医者さんが動いたほうが良いという場合は、痛みがひどくならない程度で動くほうが実は状態が良くなりやすいということなんですね。

ただ、軟骨の種類によっては修復する機能がないため元の状態には戻りません。

気をつけておきたいこと

サプリメントというと薬と違ってどうしても飲み合わせなどにあまり気を使わない傾向があると思います。

しかし、グレープフルーツジュースが一部の薬の副作用が現れやすくなるなど作用があるので注意が必要です。

グルコサミンとコンドロイチンは、抗凝固剤の効果を高めてしまう可能性があるので注意が必要とされています。

また、グルコサミンは糖尿病などの血糖値に問題がある人で、糖代謝に影響を及ぼす可能性があるという研究結果も出ています。

なので、このような心配のある方はお医者さんに相談してから飲むようにしたいですね。

まとめ

海外では、薬として飲んでいるものに効果があるとする研究もありますし、栄養素として利用はされますのですべてが無駄になるとも言えません。

ただ、日本のサプリメント事情を考えるとそこまで期待ができるのかと言われるとはっきりは言えないというところでしょうか。

もちろん健康な方が身体の事を考えて飲むという選択はありだとは思います。

健康のためであればできれば、サプリメントだけではなく、適切に動かすなども合わせて行ってくださいね。